Inside and Outside. Light and Shadow. Seen and Unseen. Fiction and Fantasy. You and I…
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  • Chillout music

    Posted on 2月 21st, 2009 Yohei No comments

    2月13日に春一番が吹いて、2月14日・15日は暖かな陽気が続いていましたが、そのあとの数日冷え込みが増してきたように思われます。日中は日向に出れば暖かく、外套はいらないように思えるほどですが、日陰に入ったり曇りになるとやはりまだ寒さが勝る思いがします。

    寒いときは、もっと凍えるほどに涼しい気分になる音楽を聞くのもいいのでは?
    (ちなみにZero 7の”Destiny”、”Home”、”Somersault”はかなりおすすめ)

    Zero 7 – Destiny

    Thievary Corporation – The time we lost our way

    Air – All I Need

  • Ring Finger

    Posted on 2月 15th, 2009 Yohei No comments

    ――薬指といえばなんでしょう?

    おねいさん指!!

    ーーそうだね。ほかには?

    その名前のまま。
    ワセリンとか軟膏とかを掬い取って肌に塗りつけるためのもの。

    ーー常識ですね。ほかには?

    左手の薬指は結婚指輪をするためのものに決まってるじゃないー。

    ーーさすが大人。ほかには?

    PHP1aつまり偽性副腎機能低下症Ia型の患者では、AHOつまりAlbright遺伝性骨異栄養症を示し、薬指にある骨すなわち第4中手骨(と小指の第5中手骨)の短縮がみられます。PHP1aの発症はGNAS1遺伝子の変異とgene imprintingつまり遺伝子刷り込み現象によって説明されます。すなわち腎近位尿細管では父親由来のGNAS1遺伝子が刷り込みによって発現せず、母親由来のGNAS1遺伝子のみが発現しています。この母親由来のGNAS1遺伝子に異常があると、Caの血中濃度を管理するホルモンであるPTHつまり副甲状腺ホルモンの受容体と共役するGTP結合タンパク質Gsのαサブユニットの機能が異常となるのです。

    ーーすごい、よく勉強してる。じゃあこれは知ってるかな。唐突だけどテストステロンというホルモンがあるよね。そうそう。男性ホルモン。主に精巣で作られるホルモンで、ステロイド構造をとっている。このテストステロンは、赤ちゃんが生まれる前、お母さんのお腹の中にいるときに、もしその赤ちゃんが遺伝学的にみて健康な男の子だったら、いっぱいつくられるんだ。どんなはたらきがあるかというと、ひとつは脳みそをつくる。男の子になるように。おちんちんもつくる。男の子だからね。そしてもうひとつ。これが今回伝えかったことなんだけど、薬指が伸びるんだ。人差指と薬指をくらべてごらん。男の子だと薬指のほうが人差指より長いでしょ?女の子の指は見たことある?2本の指の長さはあんまり変わらない。お母さんのお腹のなかの赤ちゃんが、テストステロンをたくさん浴びれば浴びるほど、薬指は長くなるんだ。じゃあ、薬指の長い人はどんなタイプの人なんだろう。そういう人はスポーツ競技とかすごく短い期間での株取引とか、勝負事にはめっぽう強いらしい。『エコノミスト』っていう雑誌に書いてあったよ!!

  • Deus ex machina

    Posted on 2月 11th, 2009 Yohei No comments

    A:「デウス・エクス・マキナって知ってる?」

    B:「知らないな」

    A:「デウス・エクス・マキナっていうのはラテン語で、日本語に訳すと<機械仕掛けの神>という意味があるのさ」

    B:「ふぅん。『時計仕掛けのオレンジ』っていうタイトルの映画なら聞いたことあるなあ」

    A:「もともとは、古代ギリシャの演劇で、話の展開がややこしくなってとりとめがなくなったときに、事態を収拾させるための装置として使われたのが、デウス・エクス・マキナだったんだ」

    B:「へぇ。神オチということか。それは、都合がいい」

    A:「いわゆる予定調和というやつだね」

    B:「何事もあらかじめ手配済みということか」

    A:「哲学的概念として、予定調和をはじめに言ったのは、微分積分を発明したライプニッツだとされているね。ライプニッツは神学者でもあったわけだけれど」

    B:「予定調和のためには、神の存在が必要だと言いたいわけか。でも、物語というのは、作者が創作しているという属性がある限り、終らせることはできるはずではないの?」

    A:「物語の終りかたについて考えると、世界の終りとか、終りの終りとか、メタ物語とか、いささか面倒なことになりかねないね。<終らないこと>を暗示的に促すことによって終るという形式もあると思う」

    B:「そういう意味で、神話的世界像は物語の初めと終りが整然と一本線になっていて、すっきりするわけだ。このことは、創世記で始まって黙示録で終る聖書にも言える」

    A:「そうだね」

    B:「予定調和に依らない終らせかたはないんだろうか。物語がどうにもこうにもいかなくなったときのために」

    A:「予定調和の概念をもたらしたライプニッツに戻って考えるといいかもしれない。ライプニッツの哲学は、モナドという概念を想定することから始まるんだ。」

    B:「モナド?」

    A:「話が限りなく形而上学的になってしまうので詳しくは語れないけど、モナドというのは、物を分解して分解して限りなく小さくなっていってたどり着く要素のことで、それでいて状態をもっているものなんだ」

    B:「よくわからないな」

    A:「たとえば、社会とか国家とかを考えると、社会を細かくしていって、学校とか会社とか家族になる。さらに細かくすると個人になる。社会に対する個人がモナドということになる。同じように、ヒトという生き物に対する細胞がモナドということになる」

    B:「わかったようなわからないような」

    A:「つまるところ、神を前提としておくかどうかが、モナドの運命にとって問題なわけ。ライプニッツのモナド論に対して、神がいない世界の新しいモナド論を考えた学者がガブリエル・タルドという人物なのだけど」

    B:「すこし強引じゃない?要するに、『社会法則/モナド論と社会学』を読んでみろということだね」

  • iPS細胞、チェ・ゲバラ、「虚構」と「現実」

    Posted on 2月 8th, 2009 Yohei No comments

    書こうと思って溜めていたトピックを3つ取り上げます。

    ひとつ目は、iPS細胞。

    2007年にヒト線維芽細胞からのリプログラミング(初期化)が確立されて、2008年には、ALS(筋委縮性側索硬化症)患者からのiPS作成が報告されました。まさに、iPS細胞はこれから応用に向けて研究がはじめられているわけですが、このたび、薬の毒性試験にiPS細胞が利用されることになったとのことです。僕は、このまえ安田賢二教授の講演を聞いたのですが、安田教授のグループはナノ生体計測技術で世界トップレベルの実績を上げています。具体的には、心筋細胞が特殊加工されたプラスチックの回路で培養されて、ネットワークを作り、自発的に拍動を始めるのです。神経細胞のネットワーク作成も研究しているのだそうです。

    ふたつ目は、チェ・ゲバラの2本立て映画の後編「39歳 別れの手紙」を見たこと。公開されたばかりなので内容には詳しく触れすぎないようにしたいのですが、「(今年)見るべき映画」に挙げられていただけのことはあったと思います。スティーブン・ソダーバーグ監督。べニチオ・デル・トロ主演。映画はじまったと思って見ていたら、ひたすらスペイン語だったので少々面喰ってしまいましたが。チェがボリビアに密入国して、ゲリラ部隊を構えて、傀儡政権を打倒するべく森の中に潜伏するというストーリーです。チェ・ゲバラ役のベニチオ・デル・トロの真に迫る演技が良かったです。僕は、チェ・ゲバラに関しては、Tシャツの図柄で使われていることと、カストロ議長と関係があることくらいしか知らなかったのですが、映画を見ていて、どうやら医者らしいこと、とても賢くて人情深い人物だということ、パイプを燻らせるのが好みらしいこと、行動によって理想を実現しようとしていることが伝わってきました。映画は「ゲバラ日記」に基づいて作られているらしく、DAY ○○○という感じで進められていきました。ゲバラ日記については、松岡正剛氏の千夜千冊で詳しく解説されています。少々長かったですが、面白かったのでぜひご覧ください。

    みっつ目は、「虚構」は「現実」である。ラカン派(ただし精神分析は治療に用いていない)で、引きこもり、オタク、アニメ、サブカルに詳しく、『文脈病―ラカン・ベイトソン・マトゥラーナ』の著書がある精神科医、斎藤環氏のWEB連載について。僕は、けっこう前から斎藤環氏のファンで、難解すぎることで有名なラカンをしっかり解読していてすごいなあと尊敬しているとともに、現代美術(海外ではヘンリー・ダーガー)への造詣も深く、それでいて漫画に対する情熱も強くて、この人はいったい何者なんだろうと思ってフォローしているわけです。昔から精神科医という職業にけっこう憧れていたこともあり、でも脳科学も面白いからと目移りしているのですが、斎藤氏のような精神科医は他にはいないでしょう。WEB連載面白いのでこちらもご覧ください。

  • 立ち返ってくるところ

    Posted on 2月 2nd, 2009 Yohei No comments

    何かを考えたり、思い悩んだりするとき、何回も立ち返ってこられるところがあると楽である。僕の場合、その役割を果たしてくれているのは、『ゲーテ格言集』であり、『人生論ノート (新潮文庫)』である。『人生論ノート』の三木清は前に引用したことがある。三木清は、ハイデッガーに師事したことのある哲学者・社会評論家・文学者で、『善の研究』の西田幾多郎とも関わりが深い。『人生論ノート』は、死について/幸福について/懐疑について/人間の条件について/孤独について/等々の短い章ごとに分かれて書かれたメモのようなもので(アフォリズムという)、いつでも気軽に読み返すことができる。三木清はおそらくものすごい量と質の文献を読んでいるのに違いないが、『人生論ノート』に書かれた言葉の数々は驚くくらいシンプルだ。三木清の言葉を支えているのは、彼自身の直観なのだと思う。これは、生まれもった才能といっていいくらいだ。

    つい一日前に読んだ箇所は、「感傷について」。これを読んでみると、感傷(もの思いとほぼ同義)のもつ甘美さとともに、その潜在的な危険性について知ることができる。

    すべての趣味と同じように、感傷は本質的にはただ過去のものの上にのみ働くのである。それは出来つつあるものに対してでなく出来上ったものに対して働くのである。すべて過ぎ去ったものは感傷的に美しい。感傷的な人間は回顧することを好む。人は未来について感傷することができぬ。少くとも感傷の対象であるような未来は真の未来ではない。
    ・・・・
    感傷は主観主義である。青年が感傷的であるのはこの時代が主観的な時期であるためである。主観主義者とは、どれほど概念的或いは論理的に装おうとも、内実は感傷家でしかないことが多い。
    ・・・・
    行動的な人間は感傷的でない。思想家は行動人としての如く思索しなければならぬ。勤勉が思想家の徳であるというのは、彼が感傷的になる誘惑の多いためである。
    (『人生論ノート』、三木清)

    <行動人としての思想家>というフレーズにとても感銘を受けた。ただ論理的に振る舞っていても、仕方ない。非常にストレートにメッセージが伝わってきた。感傷的になっていても、それは創造を伴わないということ。

    三木清の文献は、青春文庫で読むことができる。本として容易に手に入りそうなものには、『語られざる哲学』や『哲学入門』があるみたいだ。

    Act As A Thinker.