9 月 20

海外の短編小説

南米コロンビア出身の作家、ガルシア=マルケスの短編を読んでいます。『百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))』(1967)はベストセラーとなり、1982年にノーベル文学賞を受賞しています。1928年生まれ。

新潮社のガルシア=マルケス全小説へのリンク。

http://www.shinchosha.co.jp/topics/marquez/

マルガリート・ドゥアルテは小学校しか出ていなかったが、文学を天職と感じていたせいで、手の届くところにあった印刷物をすべて熱心に読破してきたため、ずっと広範な知識をもっていた。十八歳の時、村の書記になっていた彼は美しい少女と結婚したが、彼女は初めて女の赤ちゃんを出産した後に亡くなった。娘は母親よりもさらに美しかったが、誰もがかならずかかる熱病のせいで七歳にして死んだ。しかし、マルガリート・ドゥアルテの真の物語が始まったのは、彼がローマに来る六か月前のことだった。

(『十二の遍歴の物語』「聖女」、G・ガルシア=マルケス著、旦 敬介訳)

9 月 14

Live Like A Poet 5

今回は、室生犀星を取り上げてみます。いま僕が住んでいるところとかなり近い、田端に住んでいた詩人です。

雨の詩

雨は愛のやうなものだ
それがひもすがら降り注いでゐた
人はこの雨を悲しさうに
すこしばかりの青もの畑を
次第に濡らしてゆくのを眺めてゐた
雨はいつもありのままの姿と
あれらの寂しい降りやうを
そのまま人の心にうつしてゐた
人人の優秀なたましひ等は
悲しさうに少しつかれて
いつまでも永い間うち沈んでゐた
永い間雨をしみじみと眺めてゐた

(『愛の詩集』、室生犀星)

「雨」という対象からは、「慈悲深さ」が連想されますが、
「雨」といっても、「豪雨」や「台風」や「ハリケーン」となると、話が違ってきます。

水はわたしたちが生きるのに欠かせませんが、
水が雨雲にのって、一挙にまとまって押し寄せてくると、
わたしたちはただただ無力で何もすることができません。

わたしたちはいまだに、この詩人が言うように、
「永い間雨をしみじみと眺めて」いることしかできないんですね。
気候変動=Climate Changeを体感している今日この頃です。

9 月 11

Live Like A Poet 4

今日は、プロレタリアート詩人の小熊秀雄。名前が気になっていたのだけれど、詩集を借りて写真を見たら、ウェーブがかかった長髪が似合うオシャレな感じの人だった。しかも、40歳になる前に死んでいる。

怖ろしい言葉を

頭を掻きむしって
詩を書く時代は去った
立派な発声法によって
生きた人間の呼吸を吐け
友よ、
労働者詩人よ
詩の古い形式を理解しろ
だが信ずるな
僕はあいつらの
貞操をコジあけて
砂をぶち込んでやった
真理でないものを
真理だと堅く守っていたものにとって
君達も僕のように
暴力者となったらいい
うんと怖ろしい言葉を吐くのだ
たえがたい悲しみを
痙攣的な憤怒を
立派に整理して
吐露することが
科学的な新しい詩人の役割だ
可愛い雀斑の娘が
私達の傍にやってくるだろう
魅力はもうあいつらにないから
あいつらのところには
もう美しいものが
集っていかないだろう
さあ、元気を出して
うたうのだ
呟いてはいけない
口の開けたてを正確にして
生活の歌をうたうのだ

(『拾遺詩篇』、小熊秀雄)

ザ・プロレタリアート。石川啄木の悲観とは違い、どこか暴力的で危険で、攻撃性が潜在している印象をもった。

しゃべり捲くれ

私はしゃべる、
若い詩人よ、君もしゃべり捲くれ、
我々は、だまっているものを
どんどん黙殺して行進していい、
気取った詩人よ、
また見当ちがいの批評家よ、
私がおしゃべりなら
君はなんだ――、
君は舌足らずではないか、
私は同じことを
二度繰り返すことを恐れる、
おしゃべりとは、それを二度三度
四度と繰り返すことを云うのだ、

9 月 10

らくがき

julie

手書きの落書きを書きました。

9 月 09

Live Like A Poet 3

今日は、ウィリアム・ブレイク詩集より。有名な4行を引用。英語とか中国の詩は、規則がはっきりしていて面白い。

Auguries of Innocence

To see a World in a Grain of Sand
And a Heaven in a Wild Flower,
Hold Infinity in the pain of your hand
And Eternity in an hour.

              William Blake

9 月 08

Live Like A Poet 2

今日も詩を引用します。中原中也詩集より。

僕が知る

僕には僕の狂気がある
僕の狂気は蒼ざめて硬くなる
かの馬の静脈などを想はせる

僕にも僕の狂気がある
それは張り子のやうに硬いがまだ
張り子のやうに破けはしない

それは不死身の弾力に充ち
それはひよつとしたなら乾鮑であるかも知れない
それを小刀で削つて薄つぺらにして
さて口に入れたつて唾液に反撥するかも知れない

唾液には混ざらぬものを
恰かも唾液に混るやうな恰好をして
ぐつと嚥み込まなければならないのかも知れない
ぐつと嚥み込んで、扨それがどんな不協和音を奏でるかは、僕が知る

(『未刊詩篇』、中原中也)

9 月 07

Live Like A Poet

少し手が空いたので、手元にあった詩集から詩を引用します。

その詩

その詩をよむと詩が書きたくなる。
その詩をよむとダイナモが唸り出す。
その詩は結局その詩の通りだ。
その詩は高度の原の無限の変化だ。
その詩は雑然と並んでもゐる。
その詩は矛盾撞着支離滅裂でもある。
その詩はただ奥の動きに貫かれてゐる。
その詩は清算以前の展開である。
その詩は気まぐれ無しの必至である。
その詩は生理的の機構をもつ。
その詩は滃然(をうぜん)と空間を押し流れる。
その詩は転落し天上し壊滅し又蘇る。
その詩は姿を破り姿を孕む。
その詩は電子の反撥親和だ。
その詩は眼前咫尺(しせき)に生きる。
その詩は手厳しいが妙に親しい。
その詩は不思議に手に取れそうだ。
その詩は気がつくと歩道の石甃(いしだたみ)にも書いてある。

(『猛獣篇』、高村光太郎)

9 月 05

Remember, September?

8月24日に北京オリンピックが終わったと思ったら、たいして余韻に浸ることもなく、9月が始まりました。8月末から9月最初の数日は、いつになくあわただしい印象を持ちました。

まず、アフガニスタン東部・ジャララバード近郊で活動していたNGOペシャワール会の日本人スタッフが、イスラム過激派によって誘拐・殺害された事件。僕は、ボランティアとか国際NGOに中学生のころからあこがれていたこともあり、ペシャワール会については多少知っていましたが、まさかペシャワール会が狙われるとは思いませんでした。アフガニスタンの治安がここ数年悪化しているそうですが、カルザイ政権が事実上機能していないのでしょう。外国からの支援がなくなれば、アフガニスタンの治安の悪化はますます深刻なものになるでしょう。どこかで、日本人が誘拐されたりしなければ、日本のマスメディアは中東の情勢をフォーカスしないという指摘を見つけましたが、全くその通りだと思います。やっぱり、テレビはBBCとCNN、マガジンはTIMEとNewsweekとWSJに限ります。

そして、9月に入ってすぐの、福田康夫総理の辞任表明。僕は、内閣官房長官のころから福田さんの飄々としているところがけっこう気に入っていて、記者やほかの議員たちから、鋭い質問をされたときにさらっと返す”切り返し”がうまい人だなあと思っていました。どちらかというと僕は、難しい質問をされると、素直に困ってしまって言葉を詰まらせてしまうタイプなので、こんな達人級の切り返しができる人になりたいと思ったものです。福田総理は無能で愚鈍だという意見もありますが、実際、総理の仕事というのは、僕たちの想像をはるかに超えて身体的精神的に追いやられるのだと思います。それにもかかわらず、前任の総理のように、体調的不良を理由にすることなく、「ただ辞めます」と言ったのには、福田総理のなかなか見透かせない胸の内の周到さがあるのではないでしょうか。誰かが言っているのかもしれませんが、9月1日は米国の祝日でレイバー・デーになっているので、緊急記者会見が日本時間21時に行われたのにも理由があるに違いありません。極力、株式市場と為替に影響を出したくなかったのだと思います。結局、福田さんは「日本の顔」として表舞台に出るには適格ではなかったのかもしれません。むしろ、補佐的で「影」で動く官房長官でいてほしかった。次の内閣総理大臣がだれになるかはわかりませんが、だれになっても逆境からのスタートであることに違いありません。公明党の力が増してきているそうですが、あまり出てきてほしくありません。

2ちゃんねるで話題になっているという、AAをコピーしてみました。

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                         ,i’:r”    + `ミ;;,
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    〃ニ;;::`lヽ,,_           ≡  彡 ,,,,,、 ,,,,、、 ミ;;;!
    〈 (lll!! テ-;;;;゙fn    __,,–、_  ..   ,ゞi” ̄ フ‐! ̄~~|-ゞ, ≡
   /ヽ-〃;;;;;;;llllll7,,__/”  \三=ー”.”ヾi `ー‐’、 ,ゝ–、’ 〉;r’  ≡  
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  j,, ヾて)r=- | ヾ:   :ヽ;;:     | l |  l  ”t ←―→ )/イ^    ≡ 
 ,イ ヽ二)l(_,>” l|    ::\;::    | |  |  ヽ,,-‐、i’  / V
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         ヽ_=–”⌒ ゙゙̄ヾ:/ /:::::::/:::::::::`<==-- ノ / /

自分自身を客観的に見ることはできるんです 。あなたとは違うんです 。

ほかにも、タイで非常事態宣言が出たり、ハリケーン・グスタフがアメリカ南部に上陸したり、Googleのブラウザ、Chromeがリリースされたり、すぐに脆弱性が見つかったり、アメリカ大統領選の報道が盛り返してきたり、いろいろなことがニュースになってとても慌ただしかったです。大学の講義と実習もスタートしたことですので、リズムとやる気を取り戻したいと思います。

September - Earth, Wind & Fire