「太陽ニュートリノに質量がある」という、ノーベル賞級の発見をした、素粒子物理学者の戸塚洋二氏が、昨日亡くなりました。享年66歳。死因はがんによる多臓器不全。戸塚氏は静岡県富士市出身です。同じ県出身の僕は、高校2年の春、つまり2003年3月15日、高校の同窓会の企画した講演会で、戸塚氏の講演を聴きました。日時を正確に記銘しているのは、講演終了後、戸塚氏に色紙にサインをもらいに行って、日時も記入してもらっていたから。そして、それを上京するときに持ってきていたから。いわゆる願掛けというものです。講演では、電子ニュートリノやμニュートリノやτニュートリノなど、科学雑誌”Newton”で読んだことはあっても、得体のしれない、聴きなれない用語がたくさん登場して、中学生のころから自称・科学マニアだった僕は、たいへん感激したことを覚えています。その前年の2002年は、戸塚氏の研究プロジェクトのボスだった、小柴昌俊氏がノーベル物理学賞を受賞しています。戸塚氏や小柴氏がニュートリノ研究を行っていた、岐阜県にある、神岡鉱山地下の「スーパーカミオカンデ(KAMIOKANDEとは、Kamioka+NDEの意)」から、ノーベル賞が再び出るとすれば、間違いなく戸塚氏に贈られるであろうということは、関係者ならずとも周知の事実でした。実際、ノーベル賞受賞者が予測される場では、戸塚氏の名前が頻繁に出てきました。
戸塚氏が現場を意外なほどに早く退き、東大からも職を離れたのは、病気の療養のためだったと思われます。貴重な素粒子物理学のパイオニアを66歳という年齢で失うことは、日本のアカデミアにとっては、大きすぎる痛手です。もっとはやく、戸塚氏にノーベル賞を受賞してもらいたかったと、正直に思います。
ご冥福をお祈りします。




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